初めて白髪染めをする人と話をしていると、あえて伝える必要はない、または、伝えようと思ったこともないことが、プロとしての思い込みだったと感じることが出てきます。
そんな一つを書いてみます。
白髪染めは、白髪を目立たないようにする毛染めです。
薬剤の種類や色味によって表現できることがいくつかあるのですが、今日のブログでは、一般的な、白髪をある程度染めるケースで書かせてもらいます。
『白髪染め』という言葉なので、白髪を染めるということは、毛染め経験のない方にも分かってもらえると思います。
しかし、白髪染めは『白髪だけを染めるものではないのです』。
ターゲットは白髪ですが、黒髪も染まってしまいます。
言い換えますと、黒髪の色はそのままに、白髪だけを染めることはできないのです。
先日、初めて白髪染をする方と話していて、プロとしては当たり前でも、知らない人には不思議なことだと気づかされたのです。
これがプロと、初めて毛染めを体験する方の認識の差。
開店当時から通っていただいているので、25年のお付き合いとなるその方は、自毛の黒髪が濃い茶色のとても綺麗な色をされています。
イメージで捉えてもらえるようイラストを用意しました。
下のイメージは白髪染めをする前です。
この話に出た方の白髪の割合は、こんなに多くなくて、1割もありません。
少し白髪が増えてきたかな?
という程度なのですが、分かりやすくするため、白髪と黒髪の割合を半々にしています。
この髪の状態に、下のイメージに染まる白髪染めをしたとします。
すると、結果は下のようになるのです。
このように変化すると、全体が黒くなってしまったような印象になるのが分かってもらえるかと思います。
(※あくまでイメージなので、実際に染めたケースとは異なります)
今回は、濃い茶色の髪色の方を例にとりましたが、黒髪の場合でも同じで、全体に暗くなったように見えてしまいます。
初めて白髪染めをしようと思っている方は、このことを、必ず頭に入れておいてください。
明るい白髪染めなどの薬剤もありますが、そんな薬剤であっても元の「濃い茶色」の髪を維持したまま白髪だけを染めることはできません。
さらに付け加えておきますと、染めた色は少しずつ落ちていきます。
退色しない毛染めはありません。
白髪染めに限らず、色んな面でプロとしては当然だけど、素人さんには分からないことが多々あるはずです。
気づいたら、またブログに書くようにします。
コメント