病院の転院について考えたことありますか?
という話を書いてみます。
ワタシの両親は二人とも85歳オーバーの正しい後期高齢者です。
この年になって両親とも健在なのは、とてもありがたいことであります。
しかし、父親が2月半ばから入院しております。
入院した理由は足の骨折。
骨折が理由だったので、主治医は整形外科の先生でした。
骨折に関しては1か月半ほどですることが無くなり、その後、内科で診てもらうことになりました。
主治医が内科の先生になったのが4月初旬のことでした。
主治医がなぜ内科の先生になったのかと言いますと、誤嚥性肺炎や貧血などの症状が続いていたからです。
入院後、病院内で広がっていたコロナに感染したり、貧血では輸血をする必要があるくらいひどくなっていたのです。
骨折する前、家にいるときはテーブルの上に置いている果物やお菓子など、バクバク食べるほど食欲があったのに、入院後、十日ほどでほとんど食べられなくなってしまいました。
食べようとすると誤嚥性肺炎が起きるためついには絶食となってしまいました。
絶食となったのが入院後十日ほど経った2月の終わりでした。
その後、嚥下のリハビリをしてもらい、3月28日に絶食解除となりました。
しかし、3月30日の夜に高熱が出てしまい、その原因が誤嚥性肺炎。
たった二日でまた絶食となり、今も続いています。
そんなことが続く中、4月28日に病院から電話が入り、病棟を移動すると言われました。
入院後、整形外科の病棟にいたあと、移ったのは内科病棟でした。
整形外科の病棟では、リハビリのため廊下を歩く患者さんや付き添う看護師さんの声があちこちから聞こえます。
入院するほど重い症状なのに、変な話、活気がある病棟でした。
でも、内科病棟では廊下を歩くのは看護師さんだけで、重い空気が漂っています。
そんな病棟に移動した父親の部屋は、ナースステーションの横にある、壁がガラス張りになっている病室。
看護師さんが、四六時中見守ってくれる部屋でした。
いつ何がおきてもおかしくない状態とも言えます。
病室を移動した4月28日、内科の先生から説明を受けました。
移動することになった大きな理由は、呼吸が難しくなってきたことでした。
肺の半分ほどに水が溜まり、呼吸がしにくくなっているので酸素吸入が始めたとのことでした。
実はこうなる前の4月23日に、中心静脈カテーテルとも言われる高カロリーの点滴をする際に、感染症の危険が低くなる『CVポート』というものを胸に取り付ける手術をしていました。
この対応をしたのは、今後、転院となった場合、受け入れ先が多くなるためというのが理由でした。
しかし、『CVポート』の手術が終わって数日経過した4月26日頃から酸素吸入が始まり、転院できる状態ではなくなったと主治医から説明を受けたのです。
来るところまできたか。
そんな気持ちで、ほぼ毎日様子を見に病院へ足を運んでいた5月2日のことでした。
病院へ行くと、酸素吸入の器具が外されていたのです。
呼吸音はゼイゼイしているのになぜ? と思います。
どうなってるんだと思っていたところ、看護師さんがやってきて「ちょっと相談したいことがあるんです」とのこと。
話を聞くと『転院』についての相談でした。
「えっ!? この前の先生の話では転院できる状態ではなくなったと聞いていたので、まったく考えてませんでした」
と答えるも、『療養型病院』への転院の話が続きます。
考えてみると、入院から約3か月を過ぎようとしたタイミングです。
いわゆる90日ルールというものが理由で転院を促されるのは間違いないでしょう。
なんでも、入院後90日を超えると、病院が受け取る診療報酬が低くなるのだとか。
こんな理由で追い出されるように転院をすすめられる患者の家族としてはたまったものではありません。
明日どころか、今日どうなるか分からない状態での転院となると、家族は不安が募ります。
そんな不安をよそに淡々と転院の話を聞かされます。
父親の状態から考えると、『療養型の病院』転院先として挙げられますとのこと。
それらが一覧表になったリストを見ながら
ここはうちの病院から移られる方が多いです
ここはちょっと特殊で、医療保険ではなく介護保険を使う所です
などなど聞かされても、そもそも考えてなかったので頭に入ってこない。
そんな気持ちを正直に伝え、ゴールデンウィークが終わってからまた話しましょうということになりました。
帰宅してから、介護事業の大手で仕事をしていた人などに相談すると、まずはケアマネージャーに相談するのが一番と聞きました。
そんなことでケアマネージャーに連絡するも、休みをいただいております。とのことで相談できず。
それなら自分で調べるしかない。
パソコンと睨めっこしながら調べてみると、『療養型の病院』には色々あるみたい。
- 介護療養型医療施設
- 医療療養型病院
- 介護医療院
- 地域包括医療
- 老健
色々とあることに加え、「介護療養病床」や「介護療養型医療施設」など呼び方がいくつもあるため、さらに分からくなるのです。
これは、ワタシたちの職業でも理容室・理容院・床屋・散髪屋・ヘアーサロンなど色々あります。
しかし聞きなじみがあるものと無いものでは理解度が違ってきまして、呼び方が似ていても内容は違うの? そんな疑問が湧いてきます。
そんな中で一つ分かったのは、これらの施設でも90日ルールで縛られるタイプと、縛られないタイプがあるということ。
縛られないタイプが『介護医療院』という施設らしい。
ただ、『介護医療院』は新しい制度で、2024年3月末で廃止となった『介護療養型医療施設』の受け皿としてできたもののようです。
新しいため、『介護医療院』という看板を上げて営業しているところはほんのわずかで、旧来のまま患者さんを受け入れているところが(大阪の場合)多くなっています。
ワタシの父親が元気になってくれる可能性はとても低く、入院期間が長期になることが予想されます。
となると、『介護医療院』を選択したいものの、数がとても少ないので、転院したくても満床になっている可能性がある。
さらに、選択したい『介護医療院』が、父親を受け入れる体制が整っているのか?
これについては、先方と相談してみないと分からないとのことでした。
一日に何度も病院から電話がかかってきて、病院へ足を運ぶことがあります。
この状態がいつまで続くのか分かりません。
もし、入院が長期になった場合、3か月ごとに転院するための手続きや手間をその都度するのは大変です。
また、転院先の病院がどんなところなのか分からないまま移るのは不安があります。
まだ転院していない状況で、今後どのように進んでいくか分かりませんが、ともかくも、治る見込みがない親を3か月ごとに転院させる制度って、家族にとって大変でしかありません。
お客さんとの会話で、こんな制度があることを話しても、知らない人のほうが多いのが現実です。
こんなことについて、体験者の様子を知りたいと思いネットで検索するも、出てくるのは制度の説明を書いたもの、療養型の病院や介護施設、厚労省関連のページばかり。
リアルな経験者の様子を知りたいのに出てきません。
制度などについては、数ページ見ればわかるんです。
それより知りたいのは、患者や家族に対してどのような制度なのか。
制度でどれだけ助けられるのか、または落ち度があるのかとか、リアルな声を聞きたいのです。
色んなことが重なり、ブログを書くにも気が重く、なかなかパソコンに向かえませんでしたが、この段になり、これらの制度について頭を整理するために書いておこうと思ったのです。
この他、高齢者の入院で生じる色々なことがあったので、またの機会に書いてみるつもりです。
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