襟足の髪が上に向いて生えているため、短くするとボリュームが出て収まりが悪くなる。
こんな悩みを持つ人が、けっこう多くいます。
そんな襟足の困ったちゃんのせいで、理想のヘアースタイルがあるの出来ない…
こんな悩みを解消してくれる所はないのか?
そんな気持ちを持って、当店に来られたのが今日のゲストです。
来店され、理想のヘアースタイルがどのようなものなのかお聞きすると、スマホで一枚の写真を見せてくれました。
それはストレートのショートヘアで、あまり強くない束感はアイロンで毛先をひねって作ったように見えるヘアースタイルでした。
後はグラボブ調で、襟足の髪が肌に張り付くように、タイトに収まっています。
そのヘアースタイルを見せてもらったあと、さきほど書いた襟足の悩みがあることを聞いたのです。
その襟足を見せてもらったワタシの答えは明快でした。
できません!
このように答えると、やっぱり…
と落胆する気持ちがこちらにも伝わってきました。
でも、出来ないものはできないのです。
ワタシは常日頃から、日々の手入れが楽になるヘアースタイルを創ることを信条にしています。
出来ないものを出来るというのは、この信条から外れることもありますが、それ以上に、髪質・生え癖に合わないヘアースタイルを希望されていることが、『できません』と伝えた第一の理由でした。
プロでも出来ないものはできないのです
無茶なリクエストをされても、それをこなすのがプロやん?
という意見もあるでしょう。
カットをして、ドライヤーやコテを使いしっかりセットして、スタイリング剤を使い、さらに時間もかければ、まったくできないスタイルではありませんでした。そのようにすれば、希望を叶えられるかもしれません。
しかし、お客さんが自分で再現できないヘアースタイルじゃ、うちに来てもらった意味がないのです。
これまで何度か、今回持ってこられた写真を持ち、このようにして欲しいとお店に足を運んだそうです。
あるお店では、『できますよ!』と言われてお任せしたら、いきなり、困ったちゃんの襟足をバリカンで短くカットされたり…
あるお店では、『できますよ!』と言われてお任せしたら、まったく違ったヘアースタイルになってしまったり…
また、多くの場合、来店されたときのヘアースタイルで裾に少し段が入ったことになることが多かったのだとか。
この話を聞いたとき、ワタシもお任せと言われたらそうします。と答えました。
なぜなら、そのヘアースタイルが髪質と生え癖に合っていると感じたからです。
ヘアースタイルの完コピはできません
でも今回は、その希望に近づけるようにカットさせてもらいました。
日々の手入れや色々な経緯を聞いているうち、理美容師に誠意をもって接してくれることを感じたのがその理由です。
それなら、いつもの信条とは反れるものの、ドライヤーでのセットが必要な事、そしてスタイリング剤を使う前提で、可能な限り近いヘアースタイルに持っていきましょうか?
こんな流れになったのです。
ただし、あくまで近いヘアースタイルてあって、そのまんまのコピーはできません。と念を押す形で伝え伝えました。
そんなこんなでカットさせてもらい、出来上がりが下の写真です。
ワタシね、こんなショートボブのヘアースタイルのカット好きなんです。
今回、スタイリング剤はワックスを使い、襟足部分は上からタイトに抑えるようにしています。
まず最初に前髪の長さを決めました。
次に、困ったちゃんの襟足のカット。レザーで厚みを取りながら、長さはあまり変えず浮いてこないギリギリの所を狙っています。
次に襟足にかぶさる部分、そしてサイドもレザーでアウトラインを作っていきます。
アウトラインを切ったらドライヤーで髪を乾かし、癖の出方、ボリュームの出方を確認しながら、ハサミで細かいカットを入れていきました。
事前の話で、毛流とは逆向きの流れでセットしたいと聞いていたため、思い切ってカットしてしまうと、髪が立ってしまう恐れがありました。
このため、頭の中で想定した長さより長くなってしまったので、それをお伝えしたところ、(お客さんが)考えていたより短くしてもらえた。と言ってもらえました。
写真で見せてもらったヘアースタイルは、もっと短い設定だったので、最初の想定は、もっと短く考えていたので、ほっとしました。
初めて来店される方は時間がかかります
そもそも、初めて来店される方は、髪質を理解できていないため、ワタシたち理美容師にとって、ハードルがとても高いのです。
理美容室、ヘアーサロンに行く前、スマホでヘアースタイルの画像が並ぶページを見てこれがイイと決め、その画像を持ってこられるケースがあります。
初めての方の場合、好みの傾向を知ることができるので助かります。
しかし、それが実現できるかというと、7割から8割ほどは困難なケースで、出来ませんと伝えているのが現状です。
なぜなら、その方には出来っこない髪質のモデルさんの写真を持ってこられることが圧倒的に多いからです。
言葉はきつくなりますが『ないものねだり』を希望される方が多いためです。
一例を言いますと、剛毛でストレートヘアの方がくせ毛の方の柔らかいヘアースタイルを希望されたり、毛量が足らないケースや多すぎるケースなどもありますね。
繰り返しますが、初めての方のカットは難しく緊張もします。
そして、必ず時間がかかります。
そのため、カットに必要な会話以外、ほぼせずに仕事を進めますが、機嫌が悪いわけじゃないので勘違いしないでくださいね。
うちに来店されるキッカケ
最後に、うちに来てくれるキッカケになった話二つの話が印象的だったので、余談ながら書いておきます。
一つは千葉の床屋のおっちゃん野武屋のノブさんの動画をYoutubeで見つけたのが一つのキッカケ。
ノブさんつながりでネットサーフィンしていたらうちの店がヒットしたそうです。
そしてもう一つのキッカケは、ノブさんとはまったく別件で調べていたシャワーヘッド。
うちはナノバブルが出るシャワーヘッドでシャンプーしています。
ナノバブルシャワーヘッドについて書いたブログがあります。
このナノバブルシャワーで調べていたら、またうちがヒットしたのだとか。
この二つのが重なり『これは(当店に)行けということだ』となり、来店してもらえたそうです。
ノブさんとシャワーヘッドが繋いだ縁で、来店してもらえたゲストのお話でありました。
以上
東大阪のヘアーサロン
オーパス21の前田でした
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