水で髪が傷む。
そんなテレビコマーシャルが流れているせいでしょうか、お客様からシャンプーするだけで髪が傷むそうですね。ということを何度か耳にしました。
あのコマーシャルを見ると、普通にシャンプーするのが怖くなってしまいます。それが狙いなのでしょうが、ちょっと過激な気もいたします。
では、実際に水道水で髪が傷むのでしょうか?
厳密にいうと傷むというほうが良いのかもしれません。
ただ、ヘアカラーやパーマをしたときのように傷むことはありません。
ではなぜ『傷む』と書いたのか。。。
水道水に含まれる金属が傷む理由だという説や水道水のPH値がその原因だという説、いくつかありますが。ヘアカラーやパーマを引き合いに出すほうが、あとの話をしやすいので、PH値について書き進めていきます。
余談ですがこのPH値。ワタシが学校で習ったときは「ペーハ」と読みましたが、今は「ピーエイチ」と読むことが多いそうです。
水道水におけるPHの平均値を自治体が公表しているのですが、大都市の東京と大阪の平均値はPH7.6となっていて、東京水道局のHPではおおむね中性です。と表記されていますが、厳密に言うと弱アルカリ性となっています。
このPHが髪が傷むということに繋がると言えなくもない。
というのも、肌が弱酸性が良いということはご存知だと思いますが、髪も肌と同じく弱酸性が一番安定しているのです。
PH7が中性で、それを境に数値が小さくなると酸性。大きくなるとアルカリ性になるので、先に書いた水道水のPH7.6は弱アルカリ性と言えます。
髪を染めたりパーマをかける際に使用する多くの薬剤はアルカリ性でして、髪をアルカリ性に傾け、簡単に言うと髪を分解して色味を入れたり癖をつけています。
パーマ剤やカラーをされた時、鼻につく刺激臭を感じた方が多いと思います。
あの刺激臭のもとはアンモニアやモノエタノールアミンなどのアルカリ剤でして、これが原因で髪が傷みます。
ヘアサロンにおいては、一旦アルカリ性に傾いた髪を酸性に戻すべく、薬剤やトリートメントを利用しますが、これらの従来の方法だけではそれも十分ではないということから、当店では色々なアイテムを使用して、髪のダメージが進行しないように配慮していますが、正直なところ、一度傷んだ髪を、完全にもとに戻すことは不可能なのです。
話が横道にそれてしまいましたが、水道水で髪が傷むのか?
という質問に対しては、まったく傷まないとは言い切れませんが、恐れおののくようなことはありません。という返事をお客様にしています。
では、弱アルカリ性の水道水にどう対処すればいいのか?
お金を出すなら浄水器を使用することも考えられますが、お風呂で使用するとなると、金額も張ってしまいます…
ご家庭でできる対処法としては、きちんとトリートメントをすること。
トリートメントは基本的に酸性なので、アルカリに傾いたものを酸性に戻してやるということですが、後で流すのに水道水を使うので、根本的な解決法にはなりませんが、シャンプーだけで済ますよりは髪には良いでしょう。
他の対処法として、シャンプーのあと濡れたままにしておかないで、乾かすことも一つの対処方法だと思います。
弱アルカリ性の水を少しでも早く髪から蒸発させるという目的ですが、濡れた髪はダメージにも弱くなっているので、そういつた意味でも、シャンプー後は乾かすほうが良いと思います。
ワタシの個人的な意見として結論を書かせてもらいますと、水道水が原因でパーマやカラーをしたように髪が傷むことはないので、あまり神経質にならないほうが良いと思います。
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