厭離庵
と書いて「えんりあん」と読むお寺が京都嵐山にあります。
藤原定家が百人一首を選したとも言われるこのお寺は、普段は非公開。
でも、毎年、11月1日から12月7日の秋の紅葉の時期だけ拝観できるお寺なのです。
二尊院という大きなお寺から少し南に下ったところにある『厭離庵』の入り口は、お寺があると思えない細い路地。
ここを入ってくと、さらにお寺とは思えない雰囲気になります。
このお寺を4年ぶりに拝観してきました。
それまでは、毎年必ず行っていたのに、京都の人の多さが気になりだし、足が遠のいていました。
そんなことで、ひょっとしたら、外国人を含む観光客でごった返しているかも?
と思っていましたが、雨が降っていたことが影響したのか、落ち着いた雰囲気の中、庭を見ることができました。
この厭離庵の庭の見どころは『散りもみじ』。
ここのもみじは、落葉した葉が長く赤を保つ珍しいもみじで、最盛期に行くと、苔の生えた庭が燃えるような赤に染まるのです。
しかし今年は、暖冬のため落葉が遅くなっているようで、イメージしていた光景ではありませんでした。
こう感じるのには理由があります。
何度も見ていると、一番良かった年が頭に残っていて、そこが基準になってしまうのです。
先に書いたように、ここの見所は『散りもみじ』です。
でも、散る前のもみじも美しい。
雨の影響で、苔の緑がとても鮮やかになっていました。
この色合いを見ていた観光で来られていた女性が「クリスマスカラーだね」。と言われていました。
そういわれると、確かにそう見えるのでした。
鮮やかな赤と緑の庭のある厭離庵の拝観は12月7日までとなっています。
最初に厭離庵と書いて「えんりあん」と読むと書きましたが、正確には「ゑんりあん」だということを、今回初めて知りました。
入った時は小雨が降っていたのに、しばらくすると雨が上がり、厭離庵を出るころには空が少し明るくなってきました。
大阪に戻る電車に乗るため渡月橋を渡ると、朝は靄に包まれていた山が、少し、スッキリ見えるようになっていました。
ここも、見ようによってはクリスマスカラーだな、と思いながら帰路についたのでした。
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