ダイキンの業務用エアコンの【水内部クリーン】が製造段階の設定が理由で正常に動かない話をしてみます。
カビやにおいを防止するという、水内部クリーンの評判や口コミを見てエアコンを決めた訳ではないのですが、販売カタログの最初のほうのページに出ているのでダイキン工業お勧めの機能だと理解しています。
現状、まだ決着していないのですが、これまでの流れを忘れないように覚書として記録することにしました。
エアコン名称と型番
説明の前に、入れ替えたエアコンの型番から書いておきましょう。
ダイキン 天井埋め込みカセット形業務用パッケージエアコン Sラウンドフロータイプ『スカイエア』
室内機 : FHCP50EM
室外機 : RZRP50BDV
ダイキンの水内部クリーンについて
店の業務用エアコンを入れ替えたことを、先日ブログに書きました。
メーカーは入れ替え前と同じダイキンです。
2020年から新機能が追加されたようで、それが【水内部クリーン】というもの。
スイッチを切った後、自動で動き、室内機の中にある熱交換機を乾燥させることにより能力低下やカビ、悪臭の発生を抑える機能です。
ダイキンのHPには、このような説明が書かれてあります。
水内部クリーン運転は、発生させた結露水を利用して熱交換器の汚れを洗い流します。
エアコンは運転中に室内のホコリを吸い込み、さまざまな箇所に汚れが付着します。
そのなかでも熱交換器に付着するホコリは、能力低下や、カビ・悪臭の発生原因にも繋がります。
性能を維持し、長くお使いいただくためにも、エアコン内部を清潔に保つことが大切です。
エアコンは長い付き合いになるため少しでも快適に使いたいので、使っておこうと思ったわけです。
この機能の流れや、詳しい機能はダイキンのカタログにも載っているので、もう少し詳しく説明してみます。
水内部クリーンのイメージイラスト
水内部クリーン運転の流れ
イラストの文字が見えにくいので転載しておきます。
- 「水内部クリーン」運転は、工場出荷時の設定は「無効」です。使用する場合はリモコンのメニュー画面から「内部クリーン運転」を「有効」に設定ください。
- 「水内部クリーン」運転は、冷房運転または除湿冷房運転終了後に自動で実施します。暖房運転または送風運転終了後には実施しません。
- 付着したホコリやカビをすべて落とせる機能ではありません。
- 室内温度、室内湿度の条件によっては結露水洗浄、加熱乾燥運転は中止される場合があります。
- 送風乾燥で十分な条件のときは加熱乾燥運転を行いません。(外気温24℃以上で室温25℃以上の場合)
- 居室内の温湿度によっては、「水内部クリーン」運転が中止されることがあります。
- 同時運転マルチの場合、接続されている機種が全て「水内部クリーン」運転に対応している場合、動作できます。
- グループ制御運転の場合、接続されている機種が全て「水内部クリーン」運転に対応している場合、動作できます。
- 「水内部クリーン」運転中は室温が低下、または上昇する場合があります。
- 「水内部クリーン」運転には1回あたり約0.95kWhの電力を消費します。(結露水洗浄運転:室内外温度26℃、10分運転、送風乾燥運転:100分運転、加熱乾燥運転:室内外温度24℃、15分運転、SZRC160BFの場合)
- 天井吊形室内機P224・280形には対応していません。
運転終了 → 結露水洗浄(最大10分) → 送風乾燥(最大100分) → 加熱乾燥(最大15分)
なぜ、エアコン内部を清潔にする必要があるのか。
エアコンは運転中に室内のホコリを吸い込み、さまざまな箇所に汚れが付着します。 そのなかでも熱交換器に付着するホコリは、能力低下や、カビ・悪臭の発生原因にも繋がります。 性能を維持し、長くお使いいただくためにも、エアコン内部を清潔に保つことが大切です。
ダイキン公式ページに水内部リーンの動画もあったので貼っておきます。
水内部クリーン(洗浄)のイメージ動画
水内部クリーンの運転時間がカタログ値よりはるかに長い
今回問題なのが、水内部クリーンの運転時間なのです。
カタログには以下のような説明が書かれてあります。
結露水洗浄(最大10分) → 送風乾燥(最大100分) → 加熱乾燥(最大15分)
最大125分で終了する計算になります。
しかし、今回入れ替えたエアコンは5時間以上作動することが判明したのです。
下の写真は電源をOFFにしたのが18:02で、内部クリーンが作動を始めたリモコンの画面です
本来なら内部クリーンが切れているはずの2時間16分後
約5時間経ってもまだ作動しています
参考までに書いておきますが、水内部クリーンは初期設定ではOFFになっているので、リモコンを操作してONにします。
ONの設定にしているのが下の写真です。
カタログの性能説明の一番最初に書かれてあるので、ダイキンさんはイチオシ機能として装備しているという認識から、ワタシは最初からONになっていると思っていたのですが、自分で設定する必要があるのです。
水内部クリーン不具合に関するこれまでの流れ
ここまでの流れを書いておきます。
2020年7月13日
エアコン入れ替え
2020年7月24日
水内部クリーン使用開始。
2020年8月初旬
作動時間が長いことに気づく。
2020年8月28日 AM10:03
今年の8月は猛暑ということもあり、それも含め、ちょっとした不具合かもと思い放置していたが、毎日同じように長時間作動するため、取り付け業者さんに連絡を入れる。
2020年8月28日 AM11:03
取り付け業者さんがすぐにダイキンへ異常を伝えてくれて折り返しの電話が入る。
しかし、担当したダイキンの方が頼りなく原因がハッキリしないので、再度確認してみますとのこと。
2020年8月28日 PM15:04
取り付け業者さんから電話が入り、カタログ上では最大125分となっているが、取り扱い説明書には最大10時間運転することがあると書かれていると教えてもらう。
しかし、これはオプションのストリーマを導入している場合であり、うちはストリーマのオプションを入れていないため該当しませんとのこと。
2020年8月28日 PM15:23
ダイキンから電話が入り、点検の日程を話し合い、翌日の2020/8/29に来てもらうことになった。
2020年8月29日
ダイキンから男性二人が来られ設定などを確認するもハッキリした原因が分からない。
そこで、ストリーマが入っている場合に長時間運転するケースがあるそうですが? と伝えた。
設定を確認してもらうと、ストリーマは導入していないのに、なぜか設定がONになっているとのこと。
原因がこれかもしれないので、OFFにした状態で一度様子を見てくださいと言われたが、なぜ、初期設定でONになっているのか不振に思う。
この状態で二日様子を見たが状況は変わらず5~6時間作動することを確認。
2020年9月1日
ダイキンから確認の電話が入り、状況が変わらないことを伝えると、もう一つの設定を試したいので伺いますとのこと。
午後8時過ぎに来られ、約30分ほどパソコンとスマホを見ながら設定を操作されるが、何度も何度も同じ操作を繰り返しているのを見て解決しそうにないと判断し、以下のことを伝えました。
『そもそも(オプションの)ストリーマを入れていないのに初期設定でONになっていることが不思議です。もし今回、それをOFFにして直ったとしても不信感が残ることになります』と伝える。
その後、色々話していて一番驚いたのは、うちに取り付けた個体の問題ではなく、すべての機械が同じで、出荷時から長時間動く設定が組み込まれているという説明を受けたことでした。
ダイキンといえば世界的な空調の大きな会社ですから、これまで多くの同型機を取り付けているでしょうから、不具合は分かったはずでは? と伝えました。
このことに対し、業務用エアコンは事務所などで利用されることが多く、スイッチを切った後、みんな帰るため、誰も気づかないのかもという返答でした。
しかしこの話はさらなる不信感を持たせました。
なぜなら、このような理由で、この不具合が見つからなかったということは、テスト運転をしていないまま販売していることになりますよね。
何が何だか分からなくなってきました。。。
以下、サービス担当の方から聞いたことを要約しました。
- 取り付け業者が見る据え付け説明書と、メンテナンスサービスの人が見る資料で食い違いがある。
- おそらく設定レベルの話になるが答えが出てこない。
- 機械の誤作動ではなく出荷時の初期状態で設定が正しく入っていない。
- (今回来られた)サービスレベルの者で分かる話ではなくなっている。
- サービス、メンテナンスレベルではなく設計レベルの話になり、この機械の設定を組み込んだ人間に確認するしかないので確認するのに時間がかかる。
これらの話から、設計、もしくは製造段階でおかしな設定になっている可能性があるということです。
ワタシは単純に、今回入れ替えてもらった個体が悪いと思っていたのですが、もしかするとまったく違うのかもしれません。
もしかすると、リコールレベルの話じゃないのかな?
と思い確認してみると、ダイキンの家庭用エアコンでは、重大な火災が発生していますとの文字が書かれたページがあるのを見つけました。
上記は家庭用で、うちで使っている機種ではないものの、こんなのを見ると、より怖くなってしまいました。。。
2時間ほどで止まる設定になっているものが、想定に無い5~6時間作動し、もしも出火した場合、焼け焦げたエアコンが長時間動いていたことを証明するのは無理だろうと思うんです。
エアコンは長期間使うものですし、不安な状況で使いたくありません。
2020年9月9日
サービスの方から電話が入り、結論は正常運転であると説明され、修正作業は何も行わないと伝えられる。
以下、その要約です。
〇 オプションのストリーマを入れていないのに、設定でONになっていたのは関係ない。
〇 カタログに載っていることと違う長時間運転するが、室外機が動かないため、カタログ値の125分動くよりも電気代が安いので、現状、当方に不利益は無い。
〇 水内部ストリーマ運転の最終段階の加熱乾燥を行うと、室温が上がるので夏場は行わない。
ダイキン業務用エアコンの『水内部クリーン』は冷房と除湿冷房の時しか作動しません。
なのに、気温の高い夏場は加熱乾燥をしないということはおかしい。
夏場、加熱運転しない前提であれば、なおのこと、カタログには長時間運転すると説明する必要があるでしょう。
しかし、販売カタログにはこのような長時間運転することは書かれていません。
このことから、後付けの理由で、今回の問題を無かったことにするようにしていると思えてしまいます。
時間作動で気になるのは電気代
約24年使ったエアコンを入れ替えて、一番期待しているのは電気料金が安くなるだろうということです。
通常であれば、間違いなく安くなるはずですが、現状、朝9時前にスイッチを入れ、閉店後にスイッチは切りますが、水内部クリーンが作動するため電源が完全に切れるのは12時を回ってからくらいです。
余分に5~6時間動いているわけですが、水内部クリーンが正常作動していたら、約2時間で済むため、実質は3~4時間余分に動いていることになります。
では、余分に動いている電気代はいくらかかっているのだろう?
あくまで概算で、計算が正確かどうかは別にして、自分なりに計算してみました。
参考にしたのはダイキンのHPです。
業務用エアコンのHPに『水内部クリーン運転には1回あたり約0.95kWhの電力を消費します』と書かれあります。
この、0.95kWhの電気代っていくらなの?
と考えながらダイキンのHPを見ていると、家庭用エアコンの水内部クリーンの説明があり、そこに、参考にできる数値が書かれていました。
『水内部クリーンには最大55円の電気代がかかります。電力料金目安単価27円/kWh(税込み)[平成26年4月改定]で計算』
家庭用のエアコンで水内部クリーンを行うと最大55円かかるとのこと。これはストリーマ併用なので、このような金額になるのだろうと思います。
一方、業務用の場合は1回の水内部クリーンで『約0.95kWh』の電力を使うと書かれています。
家庭用エアコンの電気代を説明している部分に『電力料金目安単価27円/kWh(税込み)』と書かれた部分を参考にすると、26円ほどかかることになります。
最大の125分作動した場合が26円としましょう。
うちの場合、少なく見積もって、今は5時間(300分)動いています。
そこから125分を引くと175分余分に動いていたことになり、通常なら払わなくていい175分の電気代を払っていることになります。
175分÷125分=1.4倍
125分の電気代(26円)
175分の電気代(36円)
水内部クリーン1回あたり、余分に62円の電気代がかかっていたことになります。
8月の営業日数は22日だったので、水内部クリーンだけで1364円の電気代がかかっていて、792円余分にかかっていたこととなります(計算間違ってないかな…)。
水内部クリーンだけで、けっこう電気代がかかっているので驚きました。
※追記
この件について、このあとに書く(2020/9/16の説明)で来られた方から聞いた話では、加熱運転せず送風だけの運転の場合、1回で約10円の電気代が必要だということです。
2020/9/16の説明
2020/9/16の朝、作業をしてくれたサービス担当の方から店に電話が入り、本日4名で伺いますとのこと。
受付時間は18:30までですが、遅くなるのが申し訳ないので18:00に来てもらうことにしました。
来られたのはダイキン(ダイキン工業本社の方ではない)の社員3名(サービスの方2名・営業の方1)と取り付け業者の方です。
今回の問題は、ダイキンの商品なのに取り付け業者の方が来られたのは驚きました。
この日、約30分ほど話した内容を要約しますと、先にも書いたように現状の作動は正常であり問題は無いという説明でした。
商品購入前に見るカタログに書いてある説明(水内部クリーンは最大125分となっている)と、購入後に手にする取り扱い説明書の内容(送風乾燥で十分な時は加熱運転を行いません)が違っていて分かりにくい所が申し訳ないと話された。
商品購入前に見るカタログに書いてある説明と、購入後に手にする取り扱い説明書の内容が違っていて分かりにくい所が申し訳ないと話されました。
これはどういうことなのか?
カタログには水内部クリーンは最大125分となっているが、取り扱い説明書には送風乾燥で十分な時は加熱運転を行わず、最大10時間運転することがある、となっていることについての説明でした。
確かに書いてあります。しかし、商品を購入する前と商品購入後で説明が違っているのはおかしなことです。
細かいことを言うようですが、取り扱い説明書に書かれてある内部クリーンの特性についての表記は『数時間(最大10時間)後、自動で内部クリーン運転を停止します』と書かれてあります。
運転を停止するまで数時間と10時間って、あまりに差が大きいと思うんですよね。
ワタシはロット不良だろうと思っていたので、交換してもらえばこんな作動はしないと思っていました。
しかし、現状、出荷している商品も同じものなので、交換しても同じ動きをしますと説明を受けました。
それなら、この事をダイキン工業のHPなどできちんと伝える必要があるんじゃないですか?
と伝えたのですが、それは出来ないとの返答でした。
業務用エアコン設置の苦い経験
実は、ワタシが開業した1996年に設置した業務用エアコンも問題があり、とても苦労した経験があるのです。
取り付け工事が終わり試運転したところ、室内機の内部にあるファンの軸がブレていことに気づきました。
ワタシ「これ、軸がブレてますよね?」
取り付け業者さん「ブレでますね。」
こんな感じで、業者さんがすぐに認めるくらい軸ブレがあったのです。
この件で改装工事をしてくれた工務店に連絡を入れた所、ファンだけ交換すると返事がきました。
新品を買ってるんですから、すべて交換してくださいと伝え、その時、室内機だけを交換してもらいました。
後で後悔したのは、室内機だけじゃなく室外機やリモコンを含めすべて交換してもらえばえかったということでした。
と言いますのも、翌年の夏、室外機からガス漏れ故障が発生。。。
ちょうどお盆時期で、工務店に連絡を入れるも電話枷繋がらず、結局、お客さんのツテで修理を依頼できるところがあり、修理してもらうことができました。
その2年後は、室外機のコンプレッサーがボンっという音ともに壊れたのです。
こんな経験をしているため、業務用エアコンに関しては神経質になっている部分があります。
しかし、まさか二度続けて取り付け直後から不具合に見舞われるなんて思いもしませんでした。
こんなことって、ずっと頭の頭の片隅に居座っていて気分がスッキリしませんし、現状、冷房は動いてくれていますが、残暑が厳しい今、突然、動かなくなるんじゃないかと気が気じゃありません。
何がどうなっているのか、どの方向に進んで行くのかまったくわかりませんが、ともかく、安心して使いたいということです。
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